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「性能」は「施工」が9割

 お家づくりの性能、スペックは気になるところですよね。耐震や断熱などなど、、、 お家を建てる際には、高い性能や品質を求めることが大切です。高性能や高品質を謳う住宅会社の商品がたくさんありますが、その性能や品質を担保するものは何かご存じですか?使う材料が良ければOK、、、ではないって? 当然のことなんですが、意外と見落としがちなことです。どういうことか?ということですが、、、住宅性能や品質をきちんと確保するためには、「良い材料」を「正しく施工する」ことで最大限の性能を発揮します。 たとえ材料の性能がメチャメチャ良くても、その材料を適切に施工することやその工事に必要な工事期間を確保する「工程管理」が適切でないと性能や品質がしっかり確保できないということです。 たとえば、「1年間にその住宅会社が建てるお家の数」と「丁寧な工事」の関係は一概には言えませんが、一般的には以下のような傾向があります。   年間の着工する棟数が多い住宅会社の場合、たくさんの工事を限られた従業員や期間内に完成させるために工事期間が短くなることがあります。それは、工事期間や打合せ手間など効率的に進める為に「規格住宅」のように、決まったカタチに規格化されていたり、また住宅のコストを抑えるために手間をなるべくかからない仕様にすることで可能にしています。 ただし、限られた人数や職人さんで多くの現場を受け持つため、現場は慌ただしく、施工精度や品質管理に不備が生じる可能性が高まります。一方で年間棟数が少ない住宅会社の場合は、時間をかけて細かなチェックや準備ができるため、より丁寧な工事が期待できる傾向があります。   しかし、これはあくまで一般的な傾向なので、住宅会社やそれぞれの現場によっても異なるので誤解しないでくださいね。年間棟数が多いからといって必ずしも工事が雑になるとも限りませんし、たくさん建てているから安心というものでもないです。 もちろん住宅会社によって会社の規模が違うため、無理な工期や手抜きをせず責任をもって丁寧に建てることができる棟数はそれぞれ異なります。 「木造住宅だからどこの会社も一緒でしょ!」ではなく、お家の性能は住宅会社の施工技術によって「バラツキ」が必ずあります。高い技術を持った技術者とその工事の工程が適切に行えるか、工事前からの計画を立てて細部にわたって管理することがとても大事

「家づくり」は「会社選び」が9割

 前回のコラムで「信頼できる住宅会社を選ぶ」ことが大切です!とお伝えしましたが、今回はその話の補足を少し… 「失敗しない家づくり」は「後悔しない家づくり」です。そのために信頼できる住宅会社を選ぶことが大切なのですが、その住宅会社や人が信頼できるかどうか?を判断するための根拠をつかむことが必要です。  その前に、家づくりを失敗や後悔した人の話はたくさんありますが、なぜそうなったのかを考えてみます。その原因を大きくまとめると「3つの不足」が招いた結果だと思います。 1.知識が不足。富士山登山は、5合目までバスで登れることもあって甘い装備でケガや寒さで動けなくなる人が毎年出ます。一見簡単そうに見える富士山登山と同様に家づくりについても、とりあえず住宅展示場へ行ってしまう。もちろん知識も無防備で…何も準備していないから何も知らないし、自分で判断できないから営業マンの言われるがまま家づくりが何となく進んでしまう。 2.信用が不足。何もわからないままスタートした家づくり。自分が無知なことに気付き「つけこまれたらどうしよう」という気持ちが生まれます。…だから無心に「自分が正しい」と進みます。施主VS業者の対立が生まれ、周りも見えづらくなり後々おかしいことに気付いても、もう手遅れ状態。 3.基準が不足。自分の価値観や好きなどの基準がないと、自分の判断に自信が持てません。後から「やっぱりあっちの会社だったかも」と後悔します。よく「キャンペーン」や「キャッシュバック」など、自分都合でいい条件?があると「なんかいい会社」と思ってしまいます。でもそれって「いいお家を建てる会社」として評価できる基準ですか? 僕がこれまでいろいろ家づくりを後悔をした人に伺ったお話でも、おおよそこんな感じが多いです…なのでまず、僕が家づくりをはじめる方へお伝えする大切なことは、 「家を建てることは目的ではなくて、家族でこんな暮らしがしたい!が目的です。家を建てることはそのための手段です。」 ということなんです!もちろん「こんな暮らし」の目的は人それぞれ様々です。まずは自分たちの「基準」をしっかり理解すると、いろいろと決断を迫られたときにブレませんし、人のせいにしません。でもその「基準」がないと…やっぱり人のせいにします。後悔することが多くなります。 だから、その自分たちの「基準」を持つために「家づくりの勉強」が

激安で良品はありません

 僕が若い頃、金額を大幅に上げて必要以上に高い利益を得ていた住宅会社やリフォーム会社がたくさんありました。素直なお客さまは引っかかり、悪徳業者は必要以上に儲けるということが社会問題にもなりました。 だから、悪い会社がそんな行為をするため、家を建てる人も、「住宅会社にはできるだけ儲けさせないで、駆け引きして値切ってやろう」という思いで交渉したり、傷を見つけては、何か高価なものをサービスさせてやろういう姿勢が生まれるのも自然ななりゆきです。 そうすると今度は住宅会社の方も、値切られるリスク分を予め見積りに乗せておこうという安全策に入ります。そんな足元をみるような駆け引き関係が出来てしまった家づくりは、得てしてうまくいきません。 では、どうすればいいのでしょうか?それは「信頼できる住宅会社に依頼すること」です。 信頼できる良心的な住宅会社は暴利をとったりしません。不当な利益をあげていません。適切な利益をいただき、きちんとした仕事をします。見積りが多少高かった場合、安いほうは手抜きをするのかもしれません。良心的な住宅会社はきちんと仕事をした場合の正当な価格を提示します。 住宅では、激安で良品はありません。価格相応の家が必ずできます。同じ品質で、激安な家はありません。激安であれば、どこかが激安です。品質を下げて安くしている場合もあれば、手間をかけずに安くしている場合もあれば、何かを抜いている場合もあります。それが何かはわかりませんが… 信頼できる住宅会社を選んでいただくことが、失敗しない家づくりの大きな一歩であると僕は断言できます。信頼できる会社はお客様をだましません。べらぼうに高い価格をふっかけて、暴利を貪ったりしません。適切な利益で最大のお役立ちをしてくれます。 そんな信頼できる住宅会社の選び方についてもお伝えしている「おうちの勉強会」。 設計事務所、ハウスメーカー、工務店、 住宅業界の 全部に勤めたからわかること知っていることすべてお伝えします。 お家づくりについての不安や疑問何でもお話ください。

坪単価のナゾ

「坪いくらですか?」、、、良く聞かれる質問です。 この「坪単価」ですが、 1 坪 ( 3 . 31 ㎡ ) と い う 単 位 でお 家 の値 段 を 比 較 す る 場 合 、 各 住 宅 会 社 で 坪 単 価 の出 し 方 が 異 な る た め 、 お家の内容や金額に誤解を招く不明瞭な部分が多く、 正 確 な 比 較 が 出 来 な いのってご存じですか? 今回は、 この「坪単価」についてのナゾを明らかにして、「坪単価」という目安で比較することの間違いと、お家の値段のしくみについてお話します。 まず、「坪」っていう単位はご存知ですか?簡単にたとえると 「タタミ 2 帖分が 1 坪」です。正確には1帖の広さが約 1.82m× 約 91cm ですので、 2 枚分ですと 1.82 × 1.82 ≒ 3.31 ㎡です。1坪=3.31㎡になります。 なので「坪単価」とは、基本的に 建物金額÷面積(坪)=坪単価 になります。 一見、各住宅会社の金額を床面積で割れば、どの住宅会社が安く建てられそうか分かりそうな気がしますが、実はそうとは言いきれないんです…ここで注意したいのが、住宅会社によって、「坪単価」の出し方が違うということ。これを理解して下さい。いいですか?そのナゾを順番に説明しますね。 まず面積には、【延床面積】と【施工面積】の 2 種類あります。 【延床面積】は 各階の床面積を合計したもの。一般的な面積や申請書類、登記などに明示される面積です。 【施工面積】は実際に工事する面積です。わかりやすく言いますと玄関ポーチ、バルコニー、吹抜け部分を延床面積に足した面積です。     □ナゾ 1 算出面積が【延床面積】ではなく、【施工面積】で計算されていることがあります。面積は施工面積 >延べ床面積になります。すこしでも床面積を広くしたほうが、建築費を割った場合に安くでますよね。これも少しでも安く表示するためと実際は工事をするので業者側の都合による計算です。 □ナゾ 2 基本的に坪単価は、お家にかかるの総額(建物本体+付帯工事+諸費用)を坪で割っていないことが多い。全部含んだ総額ですと坪単価は上がりますよね?少しでも安い印象を与えたいので広告などではこの算出方法です。(最近は坪単価表示は減りましたが…) □ナゾ 3 一般的に、建物価格のうち 2 ~ 3 割はキッチンやバス

家づくり迷子のあなたへ

 ここ数年の家づくりは、まずインターネットやSNSで情報を集めると思います。 気軽に便利に誰でもすぐ調べることが出来るようになりました。でも、そこに流れている大量の情報を断片的に捉えて、情報迷子になっている人が激増しています。 この大量のあらゆる情報ですが、専門家の人もそうでない人も家づくりに関わる情報を流しています…その内容は「ごく一般的な当たり前の内容の情報」、「マニアックで特殊な内容の情報」、「自分たちが探している内容の情報」など玉石混合。その中で家づくりの内容を専門知識のない、しかも家づくりをこれからはじめる人が判断するのはとても難しいです。 特にSNSは、誰でも好きなことを好きなだけ、しかも自分のことしかアップしないので、単に「フォロワーが多い」とか「アクセス数や視聴回数が多い」ことが「正しい情報」ではなく誤解を招く、時には誤った情報のこともとても多いです。 家づくりは、当たり前ですが、ご家族によって条件や要素がそれぞれ違います。もちろん「建てる場所」も同じ土地の条件はないですよね?どの都道府県、どのエリアなのか?広さは?道路の付き方?日当たり風向きは?もちろんどんな家族構成か?年齢は?などなど同じものは一つとしてないはずです…なので、自分たち家族がその情報を採用すると自分たちには間違った家づくりになる可能性もあるということです。 例えば、あなたがよく見ているその家づくり情報が「正解」です!とうたっていても、あなたにとっては「不正解」という場合もたくさんあるんです。 お家づくりは、それぞれのご家族に合った「最適の家づくり」があります。なので偏った情報を鵜呑みにした家づくりは、あなたにとって「最適」な家づくりから、遠回りになるかもしれませんし、最悪失敗する可能性もあるかもしれません。 もちろん、みんな家づくりを失敗したくないのでいろいろたくさん調べますよね。なので注意していただきたいのは、流れている多くの情報は「素人が好き勝手言っていること…」程度に思っておいたほうがいいと思います。 ではどうやって、その疑問や矛盾を解決すればいいの?ですが、面倒かもしれませんが、それらの家づくり情報や、あなたが抱える不安について、きちんと「納得できる回答」をしてくれる住宅会社さんを見つけて、家づくりを進めることが、あなたにとって「正しい情報」をつかむ近道だと考えています。

家の住みやすさは「間取り」で決まる

 家を建てた人の後悔したランキングで必ず上位にある「間取りの後悔」…寂しいです… これって、ずいぶん昔から変わらないんですよね。常に上位です。もちろん家を建てるのが初めてで、自分がどんな家に住みたいか、どんな間取りがいいか?わからないこともあるかと思います。 でもたぶん、住宅会社の設計担当や建築士ならいい間取りをつくってくれるだろうって思っているんでしょうね。以外に業界以外の人には知られてないことですが、建築士の資格と間取りやプランニングの上手さって、ほぼ関係ないんです。建築士でも間取りが下手な人も上手い人もいます。また資格はないけど上手い人も下手な人もいます。 だから、「一級建築士が考える間取り」とかよく目にしますが、正直???どうなのって思います。なぜなら、一級建築士ってすごく難しい資格なんですが、大きい建物の設計監理が出来る資格であって、いい間取りが描ける資格ではないんです。 家は間取りが良いか悪いかで、同じ土地、予算、家の大きさでも家の質は変わってきます。もちろん建物としての性能や材料も大切です。でも、いくらスペックを上げても間取りが整うことがなければ「住みやすさ」にとても影響すると思います。なので僕は、家の住みやすさは「間取り」で決まると思っていますし、間取りにこだわっています。 住宅会社には、それぞれ得意なところがあります。規格住宅を得意とする住宅会社で間取りにこだわることは難しいですし、間取りをこだわる注文住宅会社で何百万円の家づくりも難しいです。それぞれのご家族の様々な条件がある中で、建てたい家、進める家づくりによって、どこの住宅会社で家づくりを進めることが正解かが変わります。そこをつかむことが出来れば、そういう「ミスマッチな家づくり」がなくなると思います。 家づくり後悔したランキングなんてことは少なくなると思うんですよね…少しでもハッピーな関係を築ける家づくりができるように、家って楽しいよ!がもっと家づくりをはじめるかたに伝わりるように頑張って発信していきます!

安くていいもの?

「安くていいもの」や「安くて安心」… この「安い」ですが、必ず理由があります… もし仮に、あなたの今している「仕事」を 「出来るだけ安くして下さい…」 と言われたら、どうやって「安く」しますか?   何かを製造されている方なら、材料費を安いものに変えるとか、 なるべく手間を掛けないとか…考えますよね?   決して自分の利益を削ることは、まず考えないと思います。 今、材料費や人件費が上がる中で、食料品が、衣料品、飲食店、住宅、暮らしに関わる それぞれの業界が「安さ」で生き残りを掛けて競争しています。 メーカー企業がより人件費の安い海外へ流れて、 材料も加工も品質管理も日本に比べてずさんな海外での生産が当たり前です。少し前の 異物を混合した加工肉の問題や格安バスツアーの事故も、最近の回転すしの件も… 元をただせば、自分たちが「安さ」を求めた結果だと思います。 要するに、「安さ」を求めると必ず「リスクも伴う」ということ…   誤解を恐れずに言うと… この「安さ」の要求に答えなければ生き残れない企業の意識も問題ですが、 購入して文句や後悔している方も責任があると思います。 でも選ぶ目や選び方が、わからなければ、 それを選んでしまうという現実もあります。   そうならないためにも、きちんと「選ぶ目」を持てるように、勉強して 買い物をするべきだと私は考えます。特に買い替えのきかない家づくりは… 私は「家づくり」に携わっています。 なので新築も改築も家づくりをされるかたには「家」についての選ぶ目や選び方 について知って欲しいと思います。   「家づくり」はほぼ一生に一度の大きな買い物です。 絶対に失敗は避けないといけません。   誤解しないでいただきたいのは、「安い」ことが「悪い」 と言っているのではないんです。 大切なことは「安い」には「リスクも伴う」ということを 知った上で選んで下さいということなんです。 もちろん、品質が良くて、企業努力で価格が「安い」ものもあるかもしれませんが、基本的に、材料も手間もかけた品質が良いものは価格が高い傾向にあると思います。 そして「家づくり」もどんな家であれ 必ず「メリットとデメリット」があります。 家づくりの様々なコトやモノをきちんと理解した上で、それぞれのご家族に見合った 「家づくり」をすることで、